災害の被害額は、あとから書き換わる|熊本と、311の15年
最初に出る被害額は、なぜいつも小さいのか。311では初動の試算が津波を含まず、政府の16.9兆円もストックの毀損だけを数えたものでした。被害額の書き換わり方には三つの型があります。そして三つ目は、最後まで金額になりません。
しかしここで一つ考えなければならないことで、しかもいつも忘れられがちな重大な要項がある。それは、文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその劇烈の度を増すという事実である。(寺田寅彦「天災と国防」1934年11月)
物理学者がこう書いたのは、およそ92年前です[1]。洞窟に住んでいれば、地震で壊れるものをそもそも持たない。壊れるものを増やしたのは文明のほうだ。そういう論法です。7月28日に熊本で起きた地震の被害は、いまも数え上げの途中にあります。亡くなった方に哀悼の意を表し、被災された方にお見舞いを申し上げます。そのうえで今日は、私にできることを一つだけします。被害の金額がこれからどう動くのかを、過去の実例で先に見ておくことです。数字が小さいうちに騒ぎ、大きくなった頃には誰も見ていない。それが災害報道のいつもの形でした。正しく数えることは、復興を急かすことの反対側にあります。
今日のトピック
地震は7月28日16時27分、熊本県熊本地方の深さ16キロで起きました。規模はマグニチュード7.1(暫定値)、宇城市と氷川町で最大震度7です[2]。30日16時30分時点の消防庁のまとめでは、死者34人、負傷者89人、避難指示の対象は127,647世帯267,285人、さらに一段強い緊急安全確保の対象が46,610世帯92,743人[3]。前日の同じ時刻のまとめでは、死者は3人でした[3]。30日15時時点の国土交通省のまとめでは、断水は熊本県内の11自治体で約93,700戸が続いています。最大時の断水戸数は約108,100戸でした[4]。九州新幹線は筑後船小屋―鹿児島中央間で運転見合わせが続き、高速道路は2路線9区間が通行止めです(いずれも30日午後の時点)[4]。
最初の試算は、もう出はじめています。発災翌日の29日には、チューリッヒの保険リンク証券運用会社Euler ILS Partnersによる、保険損害30億ドルから45億ドルという暫定評価が報じられています。同社は、経済損失の総額は保険損害をかなり上回る見込みだとも書いています[29]。一方で、政府の被害額推計は、本稿の執筆時点では確認できません。2016年の熊本地震では、内閣府が資本ストックの毀損額を2.4兆円から4.6兆円と示したのが5月23日、発災の1か月あまり後でした[5]。保険という狭い口径の試算が先に出て、全体を数えた公的な推計は後から来る。後で見るとおり、2011年も同じ順序でした。
もう一つ、2016年になかった変数があります。災害救助法が適用された熊本県の10市10町1村には、菊陽町、菊池市、合志市が含まれます[6]。災害で売上が減る中小企業の借入を保証するセーフティネット保証4号についても、経済産業省が29日に適用を発表し、事前相談が始まっています[6]。台湾積体電路製造(TSMC)の子会社JASMの熊本工場がある菊陽町を中心に、半導体の集積が進んだ一帯です[7]。地震のあと、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの熊本テクノロジーセンター(菊陽町)は発生直後から生産を止め、ルネサスエレクトロニクスは川尻工場(熊本市)と錦工場(球磨郡錦町)の操業を、三菱電機は菊池市と合志市のパワー半導体工場の稼働を止めました[7]。肝心のJASMも地震で操業を一時中断しました。TSMCは発災当日の夜に「段階的に通常操業に戻りつつある」と台湾紙に回答し、30日時点ではラインの状況確認が続き、装置の調整には時間がかかる見通しです[30]。10年前の地震のとき、JASMの工場はまだ存在していませんでした。
試算はまず小さく出る
2011年3月の記録を見ると、初動の試算がどう振る舞うかがわかります。災害リスクモデル会社のAIR Worldwideが3月12日に出した保険損害の試算は150億ドルから350億ドル。ただしこの数字は地震単独のもので、同社は自社モデルについて「津波の影響を考慮していない」と明記していました[8]。9日後の3月21日、世界銀行の試算として1,220億ドルから2,350億ドルという、およそ7倍から8倍も大きい数字が報じられます[9]。数字がこれほど伸びた主因は、被害の進行そのものよりも、数える範囲の拡大です。
日本政府の推計は6月24日に出ました。建築物等が約10兆4千億円、ライフライン施設が約1兆3千億円、社会基盤施設が約2兆2千億円、農林水産関係が約1兆9千億円、その他が約1兆1千億円。総計で約16兆9千億円です[10]。阪神・淡路大震災の約9.6兆円のおよそ1.8倍にあたります[11]。逆向きの例もあります。内閣府自身の初期試算は3月23日時点で16兆円から25兆円と幅で示され、6月の16.9兆円はその下限側への着地でした[11]。狭く数えた金額は下から伸び、広く見積もった金額は上から削れる。どちらにしても、最初の数字のままでは終わりません。
注目したいのは金額ではなく、その表に添えられた注のほうです。原文はこう書いています。「各県及び関係府省からのストック(建築物、ライフライン施設、社会基盤施設等)の被害額に関する提供情報に基づき、内閣府(防災担当)において取りまとめたものである。今後、被害の詳細が判明するに伴い、変動があり得る」[10]。
ここに書かれているのはストックの毀損額です。壊れた建物と設備の値段であって、口径がそうである以上、止まった工場の逸失利益も、原発事故の処理費用も、人が去った街のその後も、この表には入りようがありません。そして政府自身が、最初から「変動があり得る」と宣言しています。16.9兆円は結論ではなく、途中経過として発表された数字でした。
そして15年かけて書き換わる
では実際にどう動いたか。福島第一原発の事故処理費用は、従来の政府想定でおよそ11兆円とされていました。2016年12月、経済産業省はこれを21兆5千億円と改めます。廃炉が2兆円から8兆円へ、賠償が5兆4千億円から7兆9千億円へ、除染が2兆5千億円から4兆円へ、中間貯蔵が1兆1千億円から1兆6千億円へ。ほぼ倍です[12]。2019年には民間シンクタンクの日本経済研究センターが、汚染水の増加次第で80兆円を上回る恐れがあると試算しました。この試算の幅は35兆円から80兆円超で、下限はデブリを取り出さずに閉じ込める方式を選んだ場合です[13]。事故から8年のあいだに、政府の想定と民間の試算を合わせた見積りの幅は、11兆円から80兆円超まで広がったことになります。政府の想定はその後も動き、2023年末には約23兆4千億円へ引き上げられました[31]。
電力のコストも積み上がりました。資源エネルギー庁の試算では、原発の停止分を火力の焚き増しで代替したと仮定した燃料費の増加は、2011年度2.3兆円、2012年度3.1兆円、2013年度3.6兆円、2014年度3.4兆円[14]。ここで一つ注意が要ります。同じ資料の注に、2014年度の3.4兆円を2010年度基準で分解した結果が書かれています。化石燃料の消費量が増えた分が約7割の2.4兆円、為替の影響を除いた燃料価格の上昇分が約2割の0.8兆円、円安の分が約2割の0.6兆円、そしてウラン燃料費が減った分が約1割弱の0.3兆円のマイナス。資料自身が「四捨五入のため合計が3.5兆円となり、0.1兆円の誤差が生じています」と断っています[14]。政府が自分で分解しているとおり、これは原発停止だけの請求書ではありません。燃料価格と為替で約4割を占めます。
家計に出た分ははっきりしています。電気料金の平均単価は2010年度と2014年度の比較で家庭用が約25%、産業用が約40%上がりました[14]。東京電力の標準的な世帯のモデル料金では、月6,309円が8,452円、約34%の上昇です(平均単価とは口径が違います)[14]。国全体では、鉱物性燃料の輸入額が2010年の17.4兆円から2014年の27.7兆円へ増え、うち液化天然ガスが3.5兆円から7.9兆円へと2倍を超えました[15]。この金額には、数量の増加だけでなく燃料価格の上昇も含まれます。貿易収支は2010年の約6.6兆円の黒字から2011年に赤字へ転じ、2015年まで5年続きます[15]。
企業と人の側はさらに長く伸びました。震災に関連する倒産は、2026年2月末までの累計で2,083件[16]。倒産の統計に出てこない分もあります。岩手・宮城・福島の沿岸部で、津波や原発事故の被害が大きかった地域に本社を置いていた5,004社を追跡した帝国データバンク仙台支店の調査では、2022年2月の時点で、事業の継続を確認できた企業は64.8%にとどまりました[17]。福島県の避難者は2012年5月に約16万人でピークを打ち、今年2月時点でなお23,410人います[18]。原発は15年たって15基が営業運転を再開しましたが、動いていない炉の停止期間は、震災の前から止まっている炉も含めて平均15年8か月です[19]。
私の意見
被害額の書き換わり方を、私は型で分けています。
一つ目は、数える範囲が広がる型です。311の初動で起きたのがこれでした。地震だけ、保険がかかっている分だけ、ストックだけ。狭く数えた最初の数字が、後から範囲の拡大とともに膨らみます。範囲を狭めた側に悪意はありません。速く出すには狭く数えるしかないからです。
二つ目は、時間が経って初めて金額になる型です。事故処理費が11兆円から21兆5千億円へ、そして民間試算で80兆円超まで動いたのがこれです。廃炉のような数十年の作業は、着手して初めて難しさがわかります。この型の特徴は、金額が上がる方向にしか動きにくいことです。
三つ目が厄介で、最後まで金額にならない型です。2016年熊本の内閣府資料は、農林水産関係の被害を1,657.3億円、熊本県内の公共土木施設を1,902億円と細かく積み上げています。ところが観光業については「農林水産業、観光業への地域産業への影響も大きい」(原文ママ)と一行あるだけで、金額が出てきません[20]。人口の流出も同じです。数えられるものは金額になり、数えにくいものは文章になる。そして文章は集計されません。
この三つ目が、今回の熊本でとくに効くとみています。半導体の集積は、壊れた建屋の修理費としてなら数えられます。しかし供給が止まっている間に顧客が他国の代替先へ移ったとして、それを誰も被害額として計上しません。2011年のルネサス那珂工場は、車載マイコンの世界シェア40%のうち25%を生産していました。単純計算で、世界供給の約1割が止まった勘定です[21]。あの時の減産は各社の決算に散らばって消えていきました。
金額が動く理由は、もう一本あります。金利です。復興も、復興を機に進めるエネルギー転換も、費用の大半は借りた金です。2011年以降に福島沖で進んだ浮体式洋上風力の実証事業は、復興の象徴と位置づけられながら、2020年度から2021年度にかけて3基すべてが撤去されました[22]。その後、世界の洋上風力は金利上昇で次々に止まります。デンマークのØrstedは米国案件の中止に際し「長期の米金利の上昇が事業性をさらに悪化させた」と述べ、2023年1〜9月に284億デンマーククローネを減損しました[23]。日本でも三菱商事が2025年8月に秋田・千葉の3海域から撤退しています[24]。調査会社のWood Mackenzieは米国を想定した分析で、リスクフリー金利が2%ポイント上がると再生可能エネルギーの均等化発電原価は最大20%上がると試算しました。ガス火力の複合発電なら11%です[25]。同じ計画でも、金利が違えば費用が変わります。復興計画の費用も同じ性質を持ちます。
期待の側も書き換わります。熊本への半導体投資の経済波及効果について、九州フィナンシャルグループは2022年に10年で約4兆2,900億円と試算し、2023年8月に約6.9兆円、2024年9月には11.2兆円へと改めました[26]。政府の補助は第1工場が最大4,760億円、第2工場が最大7,320億円で、合わせて1兆2千億円規模[27]。設備投資は2工場で200億米ドル超、円換算で約2兆9,600億円とされていますが、この円建ての数字は1ドル148円で計算したものです[27]。為替が動けば、工場が同じでも投資額の表示は変わります。被害も便益も、金額のほうが動きます。
そして今回、いちばん短い時間で書き換わっている数字は、被害額ではなく人の数です。29日16時30分の消防庁のまとめは、都道府県からの報告を集計した表に死者3人と書き、同じ紙の消防本部等情報の欄には、死者13人を含む、傷病の程度や災害との関連を調査中の数も載せていました[3]。首相が同じ日の朝の会見で述べた「災害との関連の調査中を含め、死者13名」は、後者の数え方です[28]。調査中の分は、関連が認定されれば災害関連死として確定の数字に入っていきます。どちらも一次の発表で、どちらも正しい。数え方が違うだけです。そして翌30日16時30分、表の死者は34人になりました。うち9人は、まだ調査中の数です[3]。同じ災害の死者数が、切り取り方と時点しだいで3人にも13人にも34人にもなります。時点と数え方を書かない数字は、災害においては特に、事実ではなく素材になります。
寺田寅彦の一文に戻ります。文明が進むほど災害は劇烈になる。当時、壊れるものといえば建物のことでした。いまは、そこに世界の供給網が乗っています。壊れるものが増えたぶん、被害額が確定するまでの時間も伸びました。
注目の数字
約16兆9千億円
東日本大震災の直接被害額として、2011年6月24日に内閣府が公表した数字です[10]。同じ表の注にはこうあります。「今後、被害の詳細が判明するに伴い、変動があり得る」。この一文のとおり、事故処理費は11兆円から21兆5千億円、のちに約23兆4千億円へ、電気料金は家庭用で約25%上がり、避難は15年続きました。16.9兆円は震災の値段ではなく、震災から3か月半の時点で数えられた分の値段でした。
見ておきたいのは、a) 内閣府による今回の被害額推計の公表(2016年は1か月あまり後)、b) 熊本の半導体各社の稼働の全面再開(三菱電機は30日に一部工程の再開を発表済み[7])、c) 補正予算や予備費の規模です。復旧の金額が先に決まり、被害の金額は後から追いつきます。
今日はここまでにします。良い一日を。
出てきた言葉
ストック毀損額: 地震などで壊れた資本ストック(建物、設備、道路など)の価値を積み上げた金額。内閣府が災害後に公表する被害額はこの口径で、工場が止まったことによる生産や利益の減少(フローの損失)は含まない。
災害関連死: 建物の倒壊などによる直接の死ではなく、避難生活の負担や持病の悪化などで亡くなった場合に、自治体の審査を経て認定される死。認定に時間がかかるため、災害直後の死者数と、数年後に確定する死者数は大きく変わる。
災害救助法: 一定規模以上の災害で適用され、避難所の設置や住宅の応急修理などの費用を国と都道府県が負担する法律。適用地域の指定は、中小企業向けの金融支援の対象範囲にも連動する。
セーフティネット保証4号: 災害の影響で売上が減った中小企業に対し、信用保証協会が通常の保証とは別枠で融資額の全額を保証する制度。
均等化発電原価(LCOE): 発電所の建設から廃止までの総費用を、生涯の発電量で割った1キロワット時あたりの原価。初期投資の比率が高い電源ほど、金利の水準に敏感になる。
出典
[1] 寺田寅彦「天災と国防」(初出「経済往来」1934年11月): 青空文庫(底本「寺田寅彦随筆集 第五巻」岩波文庫)
[2] 発生日時・震源・規模・最大震度(2026年7月28日16時27分・熊本県熊本地方・深さ16キロ・M7.1暫定値・宇城市及び氷川町で震度7): 首相官邸 会見(2026年7月28日)/国土交通省 被害状況等について(第5報)
[3] 第21報(2026年7月30日16時30分時点)=死者34人(内訳: 八代市11人・宇城市2人・嘉島町7人・甲佐町1人・氷川町4人・その他調査中死者9人)・負傷者89人(重傷5人・軽傷等84人)・避難指示4市4町127,647世帯267,285人・緊急安全確保2市46,610世帯92,743人/第17報(2026年7月29日16時30分時点)=都道府県報告の表に死者3人・負傷者23人(重傷8人・軽傷15人)、消防本部等情報欄に「死者13人を含む傷病程度・災害との関連調査中の負傷者多数」。いずれの資料にも「これは速報であり、数値等は今後も変わることがある。」と明記: 総務省消防庁 災害対策本部(第21報)/同(第17報)
[4] 第9報=断水中約93,700戸(熊本県11自治体・7/30 15:00時点)・最大断水戸数約108,100戸・九州新幹線 筑後船小屋駅〜鹿児島中央駅間 運転見合わせ(7/30 15:20時点)・高速道路 被災による通行止め2路線9区間(7/30 13:30時点): 国土交通省 令和8年熊本地震による被害状況等について(第9報)※第5報(文書全体は7/29 14:00現在・水道欄は7/29 12:00時点)では断水・濁水・漏水5県24自治体・最大約84,000戸・九州新幹線全線見合わせ・3路線17区間: 同(第5報)
[5] 2016年熊本地震の資本ストック毀損額2.4〜4.6兆円(2016年5月23日): 内閣府 平成28年熊本地震が地域経済に与える影響
[6] 災害救助法の適用21自治体(熊本県10市10町1村・菊池市、合志市、菊陽町を含む。適用日・公示日は2026年7月28日)・セーフティネット保証4号の適用発表と事前相談開始(2026年7月29日。地域指定の官報告示は「近日中」と記載): 経済産業省 被災中小企業・小規模事業者支援措置(2026年7月29日)/内閣府 災害救助法の適用について(2026年7月28日)
[7] JASM熊本第1工場の所在地(熊本県菊陽町): 九州経済産業局 半導体に関する最近の政策動向について(2024年2月)/ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング 熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)の生産停止: ソニーセミコンダクタソリューションズ お知らせ(2026年7月29日)/ルネサスエレクトロニクス 川尻工場(熊本市)・錦工場(球磨郡錦町)の操業停止: ルネサスエレクトロニクス お知らせ/三菱電機 菊池市・合志市のパワー半導体工場の稼働停止: 熊本日日新聞(2026年7月29日)/三菱電機の一部工程の操業再開(2026年7月30日): 熊本日日新聞(2026年7月30日)
[8] AIR Worldwideの保険損害試算150〜350億ドル(円建て1.2兆〜2.8兆円・2011年3月12日公表)・モデルの範囲("Earthquake Model for Japan does not account for the effects of tsunami."): AIR ALERT Tohoku Earthquake Update 2(2011年3月12日・英語)/Claims Journal(2011年3月14日報道・英語)
[9] 世界銀行の経済損失試算1,220〜2,350億ドル(2011年3月21日報道): Washington Post(2011年3月21日・英語)※世界銀行自身の公表文書ではなく、同紙の報道による
[10] 東日本大震災の被害額 約16兆9千億円と内訳・注記の逐語(平成23年6月24日・出典表記は内閣府資料): 内閣府 防災白書 附属資料19「東日本大震災における被害額の推計」(金額の表は同ページに画像で掲載。原文の注記は引用部のあと「また、四捨五入のため合計が一致しないことがある。」と続く)
[11] 阪神・淡路大震災の被害額 約9.6兆円(国土庁推計)/約9.9兆円(兵庫県推計)・初期試算16〜25兆円から16.9兆円への推移: 内閣府 震災による経済被害(ストック)
[12] 福島第一原発の事故処理費用21兆5,000億円への改定と内訳(2016年12月9日・従来想定11兆円): 日本経済新聞(2016年12月9日)
[13] 事故処理費用35兆〜80兆円超の試算(2019年3月7日): 日本経済研究センター
[14] 原発停止分を火力で代替した場合の燃料費増加(2011年度2.3兆円・2012年度3.1兆円・2013年度3.6兆円・2014年度3.4兆円)と要因分解(消費量増2.4兆円/燃料価格0.8兆円/円安0.6兆円)・電気料金の平均単価上昇(家庭用約25%・産業用約40%)・東京電力標準世帯6,309円→8,452円: 資源エネルギー庁 エネルギー白書2015 第1部第3章第1節
[15] 鉱物性燃料の輸入額(2010年17.4兆円→2014年27.7兆円・うちLNG 3.5兆円→7.9兆円)・貿易収支(2010年6.6兆円の黒字→2011年2.6兆円の赤字・2015年まで赤字): 財務省貿易統計 輸出入額の推移(主要商品別・世界・年別・輸入)/同 年別輸出入総額の推移表(いずれも暦年・通関ベース。概況品コード3=鉱物性燃料。LNGのCSV原数値=2010年3兆4,718億円→2014年7兆8,509億円。エネルギー白書2015の表記は「3.5兆円→7.8兆円」=丸め方の差)
[16] 東日本大震災の関連倒産 累計2,083件(2026年2月末時点): 東京商工リサーチ
[17] 被災沿岸部に本社を置いていた5,004社のうち事業継続を確認できたのは3,244社=64.8%・非継続1,760社=35.2%(2022年2月時点・帝国データバンク仙台支店の追跡調査・2022年3月8日公表): 日本経済新聞(2022年3月14日)
[18] 福島県の避難者数(平成24年5月に約16万人でピーク・令和8年2月1日時点23,410人): 福島県 ふくしま復興情報ポータルサイト
[19] 営業運転を再開した原子炉15基(14,609MWe)・未再稼働炉の停止期間 平均15年8か月(2026年7月8日現在): 日本原子力産業協会 日本の原子力発電炉
[20] 2016年熊本地震の農林水産関係被害額1,657.3億円(平成29年3月14日現在)・熊本県内の公共土木施設1,902億円(出典表の基礎は熊本県「公共土木施設の被災状況について(速報版)」平成28年10月時点)・観光業への影響の記述: 内閣府(防災担当) 災害対応事例(事例コード201601)
[21] ルネサス那珂工場(2011年)の車載マイコン世界シェア40%中25%を生産・世界供給の10%停止: JBpress(2011年5月2日)※2021年の火災による減産(160万台規模)とは別の事象
[22] 福島沖の浮体式洋上風力実証事業の撤去(2020年度に7MW、2021年度に2MWと5MWを撤去): 浮体式洋上風力発電導入マニュアル(福島洋上風力コンソーシアム)
[23] Ørstedの米国洋上風力中止と減損("The total impairments recognised in the interim financial report for the first nine months of 2023 amount to DKK 28.4 billion" / "increases to long-dated US interest rates have further deteriorated the business case."): Ørsted(英語)
[24] 三菱商事の秋田・千葉3海域の開発取り止め(2025年8月27日): 三菱商事 ニュースリリース
[25] リスクフリー金利が2%ポイント上昇した場合のLCOE上昇(米国想定・再生可能エネルギー最大20%・ガス火力複合発電11%・2024年4月18日。原文 "In the US, Wood Mackenzie analysis shows that a 2-percentage point increase in the risk-free interest rate pushes up the levelised cost of electricity (LCOE) by as much as 20% for renewables. The comparative increase in LCOE for a combined-cycle gas turbine plant is only 11%."): Wood Mackenzie プレスリリース(2024年4月18日・英語)
[26] 熊本への半導体投資の経済波及効果試算(2022年9月 約4兆2,900億円→2023年8月 約6.9兆円→2024年9月 11.2兆円・いずれも10年間・熊本県内): 熊本日日新聞(2022年9月7日)/九州経済産業局 半導体に関する最近の政策動向について(2024年2月)/日本経済新聞(2024年9月5日)
[27] 政府の最大助成額(第1工場4,760億円・第2工場7,320億円)・2工場の設備投資200億米ドル超(約2兆9,600億円・1米ドル148円換算): 九州経済産業局(2024年2月)/経済産業省 特定半導体生産施設整備等計画の概要(認定日2024年2月24日)
[28] 「本日8時30分時点で災害との関連の調査中を含め、死者13名」(2026年7月29日の会見): 首相官邸 令和8年熊本地震についての会見(2)
[29] Euler ILS Partnersによる今回の地震の保険業界損害の暫定評価30億〜45億ドル(2026年7月29日。原文 "Based on the information currently available, our preliminary assessment indicates that insured losses from today's event are likely to fall between USD 3.0 billion and USD 4.5 billion, although this estimate remains subject to considerable uncertainty and may evolve as additional information becomes available. We expect total economic losses to be materially higher than insured losses."): Artemis(2026年7月29日・英語)
[30] JASM(熊本県菊陽町)の操業一時中断とTSMCの回答(2026年7月28日夜・「従業員全員の無事を確認し、段階的に通常操業に戻りつつある」=台湾紙・経済日報の取材への回答): ITmedia NEWS(2026年7月29日)/JASMのライン状況確認・装置調整の見通し(原文「台湾積体電路製造(TSMC)子会社のJASM(熊本県菊陽町)もラインの状況確認を続けており、装置の調整に一定の時間がかかる見通しとしている。」): 日経クロステック(2026年7月30日)
[31] 福島第一原発の事故処理費の政府想定を2023年末に約2兆円引き上げ計約23兆4千億円へ: 東京新聞
お断り
本記事は公開情報にもとづく解説であり、特定の金融商品の売買を推奨する投資助言ではありません。今回の地震に関する数値は各時点の速報値で、資料自体に「今後変わることがある」と明記されています。その後の発表で変わっている可能性があります。「私の意見」の節は、断定的な予測ではありません。
あなたの声を聞かせて
被害額の発表を、あなたは今後どのくらい信用して読みますか。最初の数字と、後から動いた数字と、どちらを覚えているでしょうか。返信で聞かせてください。速報や補足はX(@noposihq)でも発信しています。よろしければフォローを。